内村鑑三の言葉

無教会主義や内村鑑三、キリスト教について

内村鑑三『世に勝つとは何ぞや』

内村鑑三『世に勝つとは何ぞや』 (一九一二年五月『聖書之研究』) 「なんじら世に在りて患難(なやみ)あらん。されど心安かれ。われすでに世に勝てり(ヨハネ伝十六・三十三)。」 世に勝つとは、権力をもって世を威圧することではない。また金銭をもってこ…

内村鑑三 「成功の秘訣」

内村鑑三 「成功の秘訣」 一、自己に頼るべし、他人に頼るべからず。 一、本を固うすべし、然らば事業は自ずから発展すべし。 一、急ぐべからず、自働車のごときもなるべく徐行すべし。 一、成功本位の米国主義に倣うべからず、誠実本位の日本主義に則るべし…

内村鑑三 『夏の午後』

内村鑑三 『夏の午後』 (『教へられし所の確実』) これは炎熱灼(や)くが如き夏の午後、あるふるき友人の訪問を受けて、彼に余の今日の信仰状態をうち明かさんとして述べし所である。 余はキリスト教を信じてより今年で三十六年になる。しかしながら、未…

内村鑑三 「摂理の神」

内村鑑三 「摂理の神」 「汝等公道(おおやけ)を茵蔯(いんちん)に変じ、正義を地に擲(なげす)つる者よ、昴宿及び参宿を造り、死の蔭を変じて朝となし、昼を暗くして夜となし、海の水を呼びて地の面に溢れさする者を求めよ、その名はエホバという。」(ア…

内村鑑三 『贖罪の弁証』

内村鑑三 『贖罪の弁証』 「イエス彼らを召(よ)びていいけるは、異邦の領主はその民を主(つかさど)り大なる者は彼らの上に権を操(と)る。しかれど汝らの中にてはしかすべからず。汝らの中にては大ならんと欲する者は汝らの給仕たるべし。また汝らの中…

内村鑑三 「人生の目的とこれに達する道」

内村鑑三 「人生の目的とこれに達する道」 (一月十日柏木今井館において )明治四十二年二月十日『聖書之研究』百六号「講演」 「ピリポ彼に言いけるは、「主よ我らに父を示し給へ、然らば足れり」。イエス彼に言いけるは、「ピリポよ、我れかく久しく汝らと…

内村鑑三 「人生最大の獲物」

内村鑑三 「人生最大の獲物」 (昭和三年九月十日『聖書之研究』三百三十八号) ○神の恩寵をこの世の幸福、または成功において見るほど間違うたる見方はない。そう見るがゆえに、我らはたびたび神を疑い、彼を見失わんとするのである。 神が人に賜う最大の賜…

内村鑑三 「今日という今日」

内村鑑三 「今日という今日」 昭和四年九月十日『聖書之研究』第三百五十号 ○ 英語にウド・ハブ・ビンという詞(ことば)がある。「あったならば」との意(こと)である。こうあったならば、さぞ幸福であったろうと言いて、過去を顧み、現在を歎(かこ)つ心…

内村鑑三 「活動主義」

内村鑑三 「活動主義」 昭和四年九月十日『聖書之研究』第三百五十号 ○ わが身に不幸が臨みたればとて、これを歎きまた苦慮するは愚の極みである。苦慮したればとて去る者にあらず。また、そのわが身に臨みし理由を知らんと欲するも、神は我らの問いに答え給…